二重思考ってわりとやってるかもしれない
- ポリエチレン
- 2021年6月7日
- 読了時間: 5分
「二重思考(ダブルシンク)」とはオーウェルの『1984年』に描かれる、党員(プロレを除いた国民)が所持している思考のことである。最近雑記をばかりなので、これを少々考察してみます。
それではダブルシンクとは何なのか、全知全能Wikipediaさんの素晴らしい解説を見ましょう
二重思考は、個人の信仰体系(ものの見方)の中の矛盾に対する、よく訓練された、意識的な、知的な無視のかたちである。二重思考は、心の中で悪いことを考えながら外面では善を装う「偽善」や、複数の対立する立場のどれにも味方しない中立的な思考と関連があるが、はっきりと異なっている。二重思考をする者は偽善者と異なり、自分の心の中にある対立した信念を同時に信じ込み、対立が生み出す矛盾のことを完全に忘れなければならない。次には、矛盾を忘れたことも忘れなければならない。さらに矛盾を忘れたことを忘れたことも忘れ、以下意図的な忘却のプロセスが無限に続く。
ということです。要約すると一つの矛盾した勘定、例えば雨が好きだということと、雨が嫌いだということを同時に持ちつつ、ここから生じる矛盾を忘れるということです。
さてこのようなことをよくしていると自覚している人などあまりいないでしょう。実際、このダブルシンクが常に発生していると考えることはさすがに無茶があります。
ではどのようなときに発生するのか、それは単にその時の話題に対して何も考えていないときが最もあてはまると考えられます。
例えばAさんがいて、何らかの発言をします。そのあとBさんがいて、Aさんと相反することを言います。この時、あなたは両方の話に納得するということです。自分にとっては身に覚えがあります。つまりここに生じる矛盾に気づいてない、この時にダブルシンクが(Wikipedia様の内容とは少々異なるが)発生する、つまり無意識化でのダブルシンクが発生するのである。しかしこれを意識的にやろうがやらまいが、実際形而下になるのはその両方とも受け止めたということである。矛盾の意図的な忘却の無限のプロセスによりそのようになったとしたら?
実態はどうなのかわからないというものです。この矛盾の極小化の結果なのかどうかという点は。
また潜在連合テスト(IAT)で測られるような事柄と、意識的に考えている事柄が一致しないということも、このダブルシンクの一つとして考えられます(IATの妥当性は一端おいておいてください←あれ?これもダブルシンク?)。つまり無意識的なことと意識的なこととで矛盾が生じているのにもかかわらず、それを忘却しているということです。
どうでしょうか?案外行っていそうなものとして、ダブルシンクを捉えることができそうじゃないですか?
ただし、正直言って一番重要なのは、このようなことをしている人に対しての接し方です(これはその人全体に、っていうわけではないですからね、あくまでほんの一部の話の内容についてですからね)
相手は自分の矛盾に気づいていないわけですし、重い話題や意見を片方にしなければならないみたいな状況でなければ、あぁそうなんだなぁ、ぐらいで流しておけばいいと思います。(まぁ、それも自身のダブルシンクによって阻害されたりする可能性もさもありなんですが。)
では、重い話題についてはどうなるのでしょうか。まず、前提としてこの矛盾の解消にはおそらくそこそこの心理的負担が生じます。その次に心理的負担がかかることは避けようとするという特性があると考えます(これは話し手も利き手も)。
そこで矛盾点の内的指摘のための足場かけということが一例として考えられます。(ちなみにこの言葉は今3秒で作りました)
これはどちらの意見に傾けるかのための足場かけではなく矛盾点の存在を示唆するための足場かけといえます。この時、相手が矛盾した意見を持っているということを直接ではなく、遠回りによって気づけることによる心理的負担を軽減するというものになっています。
具体的な方略としては相互の意見の背景を考えてもらうなどが挙げられます。例えばAさんの意見とBさんの意見の背景にあるものを考えてそれらが矛盾していないか気づかせるということです。またその意見の目標を想起させ、それらが同時に達成可能なのかどうかなどを考えてもらってもいいかもしれません。
しかしいずれの方略も残念ながらでは、どうやって矛盾点を解消するのかということは説明していません。この解消に重要な点は思考力、まさにこの一言に尽きるのですが、これを持つというのは非常に困難が伴います。
ではこの思考力を持たない人がどのようにしてこの矛盾を解消するのか、正直、雰囲気でいいと思います。その場の雰囲気で全て決めるという方法が一番何も考えずに済みます。
では中途半端に思考力を持っている人はどのようにすればいいのか。これはそれらの意見にある要素を自分の可能な範囲で抽出し、それのうちどれを選好するのかを主観的な形でいいので決定し、選択肢の中で最も良いものを選び、矛盾を解消するというものです。(正直、自分もよくこれやってます)
あくまでこの2つはただの例なので、もっといい方法があるよって人はそれを実践してください。ついでに教えてくださるとうれしいです
思考力を完全に持っている人はどうすればいいかって?
持ち前のその思考力で考えてください(投げやり)
(…書いてる自分が持ってないものを書けといわれてもできるわけないんだよなぁ…)
というわけで二重思考(ダブルシンク)とその相手への対処法、矛盾の解消法の紹介でした。
とはいってもこんなこと考えながら生活するのは七面倒くさいことこの上ないので、ダブルシンクのことは完全に忘れましょう、もし忘れられないのなら、ダブルシンクが存在することと存在しないことを持ち、その矛盾を完全に忘れてしまいましょう。
あ、もしくはキッチン設備の一つと覚えておきましょう。
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